2012年1月11日水曜日

先行ビジネスイノベーションに学ぶ医療へ

「医療はビジネスではない」という言葉をよく聞く。
果たして本当だろうか。

営利や非営利を問わず、また、組織形態を問わず、その事業目的を実現するための活動の総体をいう。したがって、ビジネスの主体者としては株式会社などのような営利企業だけなく、NPOなどの非営利活動法人や住民サービス提供などを行う行政組織等を含み、個人または法人組織などの事業体がそれぞれの事業目的実現のために、人・物・金・情報などの諸資源を活用して行う活動全体を意味する。

この定義を用いるならば、間違いなく「医療はビジネスである」。

「医療はビジネスではない」という言葉を発する医療者は、当然のごとくビジネスの知恵を医療に生かそうとはしない。

目覚ましく進化するさまざまなビジネスソリューションを取り込みながら、医療というサービスが世の中で発展していくことは素晴らしいことであると思う。その可能性を追求しないのは医療者としては罪悪ではないだろうか。

コンビニ受診をする患者が求める価値を、そのまま、もしくは、別の形で提供することはできないだろうか?
救急車をタクシー代わりに使う患者が求める価値を、そのまま、もしくは別の形で提供することはできないだろうか?
医療業界を眺めると、規模の非効率性が働いているとされるが、規模の効率性を働かせるモデルが出現すれば業界構造が一転することになりはしないか?

宅配便のクロネコヤマトの戦略や、コンビニのドミナント戦略、楽天のプラットフォーム戦略、アマゾンの・・・・・。
これらはすべて、顧客の価値を追求する上で、新たなビジネスイノベーションを生み出し、それが業界構造を書き換えた例である。同じように、患者にとっての医療サービスの価値を追求する目的で、これらのビジネスの先行事例に学び、新たなイノベーションを生み出し、それが業界構造を書き換える可能性はないだろうか。
もちろん、既存の変化できないプレーヤーにとっては、この変化は恐怖以外の何物でもない。

変化を恐れる医療者となるか、変化を起こそうとする医療者となるかは、医療者個々人の選択だろう。
僕は「恐れる」より「挑戦する」ことを選びたい。

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